2月18日より、確定申告が始まりますね。
フリーランスに成り立ての方や独立間もなくの方など、昨年の会計処理や帳簿付けをまだ何もしていない、または、つまづいて進んでいないという方も多いのではないでしょうか?
何から始めたらよいか?わからないという方もいると思いますので、帳簿の付けの効率のよいやり方を一から順に説明したいと思います。
あくまでも、流れです。本来は毎日するはずであった作業を今やるわけですので、それをご理解の上、読んでくださいまし。
まず、準備するものから。
帳簿付けに必要なもの
- 複式簿記対応の会計ソフト
- 平成30年中の売上伝票
- 平成30年中の領収書
- 事業で使っている通帳
- クレジットカードで経費になるものを仕入れた場合は引き落とし明細書
確定申告申告に必要なもの
- 損益計算書
- 貸借対照表
- 固定資産台帳
- 各種保険の控除証明書
- 年金、共済等の払込証明書
- 医療費の控除を受ける方は医療費の領収書
- 年内に給与所得がある方は源泉徴収標
- マイナンバー
では、説明します。
1.まず、会計ソフトを準備します。
複式簿記対応しているものを選びます。
複式簿記対応かどうかわからない!と思ったら、商品説明に、「65万控除対象」とあるかどうかを確認してください。
対応しているものは大丈夫です。
2.準備ができたら会計ソフトを立ち上げて、始めの設定を行います。
この設定では、消費税の課税対象者かどうか?の設定の他に、事業始めるにあたっていくらのお金から始めて、どのくらいの商品があったか?通帳にいくらのお金があったか?などを書き込み、「元入れ金」がいくらだったかを定めます。
しかし、本来であれば、事業を始める前に準備をして毎日記帳しなければなりませんが、よくわからずに後回しにしてる方、多いですよね。
とりあえず売上伝票と領収書だけ保管してるけど、事業を始めた当初のことは覚えてない、という感じだと思います。
ですので、「現金」「預金」「商品」「元入れ金」など、全てゼロから始めて大丈夫だと思います。
始めの設定が終わったら、実際に記帳していきます。
3.まずは売上伝票から。
現金で売上が発生した伝票を『現金出納帳』に記帳していきます。
例
相手勘定科目 / 売上高 収入金額 10800
カード決済してもらった売上は『売掛帳』に記帳しますが、今は記帳せずに、とりあえずは置いておきます。
4.次に現金で支払った経費となる領収書を『現金出納帳』に記帳していきます。
基本的に、売上を挙げるために必要なものは経費となります。
材料なら
相手勘定科目 / 仕入高 支出金額 5400
雑誌なら
相手勘定科目 / 新聞図書費 支出金額 1080
となります。
どのような経費として処理すればいいか?わからない場合はググってください。
ここで注意するのは、10万円以上の設備や工具などの領収書です。
減価償却する必要があります。
例えば15万円のmac bookを買った場合
相手勘定科目 / 工具備品 支出金額 150000
と『現金出納帳』に帳簿付けをした後、『固定資産台帳』に資産計上しておきます。
『固定資産台帳』の記帳方法は会計ソフトの説明書をみてくれ。
他に注意することとしては、経費とならない個人的な支出をした場合の処理です。
例えば、国民健康保険料や年金などを振込用紙でコンビニ等で現金決済した場合は、記帳しない。
(本来であれば「事業主貸」として処理するが、今回のように毎日記帳していない場合は割愛しておき、決算最終日に『現金出納帳』の残高の帳じりを合わす処理を行う。)
5.領収書を記帳したら、次に『預金出納帳』の処理をする。
事業を開始した日から一番近い直前の日にちの通帳残高を『預金出納帳』に記帳する。
例えば、事業開始日が6月10日で、6月1日が直近で、50000円の残高があるなら、
事業開始日6月1日
相手勘定科目 / 事業主借 預入金額 50000
と記帳しておく。
事業主借とは、事業主のお金を事業用に使った場合に処理する科目の一つ。
それから通帳をみて、入金や出金、引き落としを順に処理しておく。
ここで注意したいのが、仕入れをツケで買い(買掛)、通帳から引き落としされる場合やクレジットカードで買い(買掛)、引き落としされる場合と、売上をお客さんがカード決済し(売掛)通帳に振り込まれる場合の処理です。
仕入をツケでした場合は「ツケで商品が入ってきた」ことを記帳しないと、通帳からお金が引き落としされたときに、複式簿記で辻褄があいません。
ですので、仕入れをツケで行ったことをまずは記帳します。
クレジットカードの支払い明細書を見ると、カード決済した日にちが記載されていると思いますので、明細書を参考に『買掛帳』に記帳します。
例えば7月4日に一万円の商品をツケで仕入れた場合
7月4日
相手勘定科目 / 仕入高 仕入額 10000
このように記帳しておくと、「買掛金」の残高が10000円あることなります。
つまり、後に払わなければならないお金が10000円あるということです。
そして、実際に7月31日に通帳から引落されたときは以下のように『預金出納帳』に記帳します。
7月11日
相手勘定科目 / 買掛金 引出額 10000
すると、『買掛帳』では
7月11日
相手勘定科目 / 預金 支払額 10000
となり、買掛金の残高はゼロとなります。
クレジットカードでの購入も基本的には同じ処理となります。
お客さんがカード決済して、売上金が通帳に振り込まれたときの処理は以下です。
まず、お客さんがカード決済したことを『売掛帳』に記帳しておく。
例えば、8月5日に20000円売上、お客さんがカード決済した場合。
8月5日
相手勘定科目 / 売上高 売上金 20000
その代金が9月1日に通帳に振り込まれた場合。
『預金出納帳』
9月1日
相手勘定科目 / 売掛金 預入金額 20000
このように処理します。
一年間分の通帳の記帳が終わったら、実際の通帳の残高と『預金出納帳』の残高が確実にあっているかを確かめる。
6.ここまで来たら、手元にあるお金(本来であれば、12月31日に実際にある現金を数えておかなければならないんだけど)と『現金出納帳』の残高の帳尻を合わせる。
12月31日に手元に20万あった(であろう)。『現金出納帳』の残高が150万であった場合、差額を引き出したことにして、帳尻を合わせる。
その場合は「事業主貸」で帳簿付けする。
『現金出納帳』
12月31日
相手勘定科目 / 事業主貸 支払金額 1300000 残高 200000
これで、現金の帳尻が合った。
7.最後に決算仕訳、という処理を行います。
決算仕訳ですることは以下です。
減価償却の経費組み入れ処理。
期末の棚卸資産(商品や材料)の処理。
家事按分の処理。
以上3つ。
詳しいやり方はググってちょうだい。
これで、会計ソフトが自動的に損益計算書と貸借対照表を作ってくれていると思います。
一応、あくまでも、簡易的な方法です。本来であれば、毎日記帳し、現金の残高も金種を記入して帳尻を合わせなければならないことをお忘れなく。
では、確定申告、頑張りましょう。
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