店を辞めることから始まった

私は今から11年前、31歳になる直前に勤めている美容室を辞め、独立をしました。

独立するので辞めるということを、当時勤めていた店のオーナーや店長に伝えると、嘲笑されました。

そりゃそうですよね、大した売上があるわけでもなく、顧客もそれほど持っていなかったので。

それでも、どうしても独立を果たしたかった。

それはなぜかというと、とにかく自分に与えられている時間を、誰にも邪魔されることなく使いたかったからです。

美容室に勤めていた時、私は実家から車で40分かけて通っていましたので、通勤で往復約一時間半、営業一時間前の8時半に出勤、7時半に営業が終わったあとは夜9時半まで後輩の練習を見て帰る、という生活をしていました。

朝8時前に家を出て、夜10時すぎに家に着く。

そんな生活をしていました。

それでいて、給料は交通費、駐車場代入れて18万円くらい。

当然社保には入っていませんでしたので、18万の中から年金と国保を払うと、実質手取りは14万くらいでした。

12年前の話ですので、今はもう少し待遇はよくなっていると思いますが、それでも私と同じような薄給の美容師さん、多いのではないでしょうか?

お給料が安い上に、時間の自由すらない。

これほどしんどいことはありません。

でも、働いている人みんながなんの疑問や反発を抱くことなく、それが普通のことであるといった具合でしたので、周りの人たちは洗脳されていたんだと思います。

1日14時間も会社のために時間を使い、それなのにまともな給料と保障がないなんて、ヤバいですよね。

もう一日も早く抜け出したくてたまらなかったです。

もともと独立心が強かったので、独立するために10年で250万くらいのお金を貯めました。

そして30歳になったのを機に勤めている店を辞める決意をしました。

店を辞めるっていうのは、今まで積み上げてきたものを崩す行為なので、凄く勇気がいることです。

でも、例えばあのまま勤めていたとして、自分になんの恩恵があるでしょうか?

1日14時間も時間を奪われ続けるんです。

時間はどれだけお金を払っても買い戻すことはできません。

ましてや若いころの時間ほど、貴重なものはない。

昔の先輩や同僚が、未だに同じ店に勤めていますが、この10年で私とは物凄い差ができました。

その差というのは、ハサミを置くことができる、できないの差です。

60歳目前の先輩がいますが、この先輩は定年を過ぎても引退することはできないと思います。

なぜなら、退職金もないし、年金は国民年金のみだからです。

何の疑問も持たず、まじめにやってきたと思います。

でもその先が報われない現実であるなら、これほど理不尽なことはないと思います。

だからこそ、自分でしっかりと先のことをリアルに考えないといけない。

まじめにやってれば報われる、という時代ではなく、自己責任の時代になってきています。

私自身は店を辞めることになんの躊躇もありませんでした。

だって、独立したら時間が余るはずだから、好きなこともできるし、だめならバイトすればいいだけでしたから。

私には、毎月振り込まれるお給料よりも、自分自身で時間をコントロールすることのほうが何倍も大事でした。

時間をコントロールするために、まずは店を辞める、ことが必要不可欠だった、ということです。

そして、そこからが人生を生き抜くために必要な本当にリアルな勉強のスタートだったのであります。

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