-1050万
これは私が1日で失ったお金の最高額です。
何で失ったか?というと、日経平均先物オプション取引です。
聞いたことない方もいるかもしれません。
最近は仮想通貨取引が流行ってますので、若い方でもある程度は馴染みがあるかもしれません。
日経平均先物取引、外国為替証拠金取引、仮想通貨取引など、仕組みは多少の違いはありますが、基本的には、
「安い時に買って、高くなったら売る」(ロング、L)
「高い時に売って、安くなったら買い戻す」(ショート、カバー、S)
これで差益を稼ぐことで利益をだします。
この差益のことは「キャピタルゲイン」ともいいます。
この日経平均先物取引を、決められた期日(SQ)にある価格で買う権利(コール)、ある価格で売る権利(プット)というオプションを売り買いする取引を日経平均先物オプション取引といいます。
詳しく説明すると長くなるので、簡単な例えで説明すると、オプションを買うというのは宝くじの買い手、オプションの売り手は宝くじの発行者をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
または、保険の買い手と保険の売り手をイメージしてもいいです。
保険の買い手は損害の起こった範囲に応じて、もらえる保険料が上がったり下がったりします。
もし、何も起きなかったら、保険料分、損をします。
保険料の売り手は、損害の起こった範囲に応じて、払う保険料が上がったり下がったりします。
もし、何も起こらなかったら、保険を売った分、儲かります。
つまり、オプションの買い手は損失は限定されるが利益は無限、オプションの売り手は利益は限定されるが損失は無限、の取引を行うことになります。
独立して三年、2011年3月11日、東日大震災が発生しました。
その日は金曜日、午後2時頃だったと思います。
強く長い揺れが起き、すぐさま停電となりました。
私がその時持っていたポジションは、「プットの売り」。
この時点で、分かる人には背筋も凍るようなお話です。
私は日経平均先物がある価格までは下がらない、ということに賭けていて、プットを売っていたのです。
いわゆる「プットの裸売り」「ネイキッドショート」一番やっちゃいけないやつです。
もし、決められた期日(SQ)までに日経平均先物がある価格まで下がらなかったら、私は5万円くらい獲得する予定でした。
それが、東日本大震災が起こったことで、日経平均先物が瞬間的に暴落し、私のポジションは損失に耐えることが出来ず、強制ロスカットされてしまったのでした。
本来なら、直ぐに注文してロスカットするところ、突然の停電で証券会社にアクセスすることが出来ず、後日、通信可能となったときに見た数字が、
「-10546320」
それだけではありません。
口座には340万くらいのお金が入っていたのですが、瞬間的な暴落で損失が口座残高を越え、700万ほどの追証が発生してしまいました。
いうなれば、「明日までに700万払え」ということです。
払えなければ、有利子負債、借金となります。
700万の借金、個人の負債でこれがどれだけ大きいか?わかりますでしょうか?
有利子の借金は利率にもよりますが、100万でも返済は相当キツいはずです。
その7倍の額です。
いろいろ手を尽くし、妻にも協力してもらって全額返済しましたが、自分の中では相当追い詰められた出来事でした。
マンガのカイジ、ご存知の方も多いと思いますが、まじで直視できませんでした。
このことで学んだことはたくさんあります。
- 証拠金取引の危険性
- 信用取引、レバレッジ取引の危険性
- 天変地異による不測の事態
- 取引所にアクセスできないリスク
- 逆指値、ロスカット注文を入れないことのリスク
- 売りのリスク、損失無限大のリスク
- アウトサイド投資のコントロールできないリスク
滅多に起こらないけれど、起きると甚大な損失を出してしまう。
今、原油先物やビットコインが高値から大分下がってきていますね。
Twitterみると、値ごろ感でロングを入れたとか、ナンピンしたというツイートを目にしますが、もし証拠金取引をしているなら、スッテンテンになるかもしれませんね。
耐えればもちろん大儲けなんですが。
でも、下がったから上がる、それは神のみぞ知る。
下がったら、さらに下がることもある。
誰にもコントロールできないリスクを認識して、ヘッジしておく必要がある。
しなければ、何か起こったときに、私のような甚大な損失をだすことになります。
アウトサイド投資は余剰資金でやりましょう。
そして、アウトサイド投資よりもまず先にインサイド投資で、インカムを増やしてから、アウトサイド投資しましょう。
この事で、インカムを作るまではアウトサイドはやるまいと誓いました。
アウトサイド投資でお金を失った場合に、自分に残るもの。
私の場合、借金。
あ、借金の返し方も一応学びましたけどね。
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