Twitterでも少し書きましたが、先日NHKシブ5時で「進化するヘアサロン」という特集が流れました。
番組の冒頭でテロップだけ流れたのを見て、私は、とうとうシェア美容室やサブスクリプション美容室、などのまったく新しい形態の美容室が紹介されるものと思い、ワクワクしていたのですが、実際の報道では、共通の趣味で集客する美容室、スーツを仕立てる美容室、子育てママへの出張美容室、といった美容室が紹介されました。
そういう美容室は昔からあり、「進化する美容室」とは程遠く、勝手にガッカリしてしまいました。
普通にありましたよね、例えばハンドマッサージを待ち時間にしてくれるとか、送迎があるとか。
それとどこが違うねん!とNHKにツッコミをいれたくてしょうがありません。
この特集をみて思うことは、それくらい美容室理容室、美容師理容師が多く、供給過多のうえに少子高齢化人口減でパイの奪い合いが激化しているということだと思います。
結局NHKの言う進化とは、ただ単に時代のニーズに応えている、時代のニーズが多様化している、ということであり、当事者である自分たちからすると実際には特に進化していないじゃん、ということなんですよね。
ちなみに「ニーズに応える」というのは、どの業種でも当たり前のことであり、それによって商売が成り立つわけなので、そんなことを進化と言ってしまうのはお門違いだし、この業界はネタというものがないのかよ、つまんねえ業界だな、とも思ってしまいます。
さて、そんな進化のない美容業界なんですが、店舗数は年々増え続け、現在は理容所美容所合わせると、全国で36万件、美容師理容師さんは合わせて50万人もいるそうです。
よく言われることですが、この店舗数はコンビニの実に6倍!!信号機20万本よりも遥かに多い数。
犬も歩けば棒にあたる、ではなく、人が歩けば美容室が見つかり、親戚あたれば一人は美容師、くらいの凄まじい数です。
そりゃ、いろんなことして集客しようというのもわかりますね。
いや、そうしないとほんと生き残れないですからね。
美容学校に入学してから10年でやっと一人前になって独立したのに、美容の技術とは違う領域で集客をしなきゃならない。
これはほんと辛いことですよ。
技術を習得するのに10年、それからさらにマーケティングまで学ばなければ食っていけないとか、なんの罰ゲームやねんと。
なんかこういう所に美容業界のいろんな問題が凝縮されてますよね。
供給過多、人口減少が祟って、いくら努力しても報われない美容師理容師さんとかめっちゃ多いと思うんですよ。
給料安くて社保も入ってなくて、彼女と結婚できないとか将来が見通せないとか。
地方なんか特に。手取りで給料14、5万とかですからね。
じゃあいっそのこと、美容師辞めて違う仕事でもしようかな、って思っても、10年もかけて取得した技術をそう簡単には無にはできないじゃないですか。
でも、かといって環境を変えず、うだつが上がらないまま歳をとったら、それはそれで最悪の状況を招くかもしれない。
60歳のじいちゃんばあちゃんになって、老眼鏡しながらカットする姿、想像できますか?
できるって思った人、ほんとにそれ望んでるの???
こうなってくると、美容師になること、やりつづけること自体が危険なことになるかもしれないですよね。
できる人はいいと思います。
でも、この業界はできない人が予備軍も含めてたくさんいると思います。
で、歳をとってから気付いても、自己責任だから。。。って片付けるのは、あまりにも酷い話だと思うんですよね。
何年も真面目に練習して働いてきたのに、歳とってなんの利益ももたらさなかったら悲しいじゃないですか。
そうならないために、今、若いうちから何らかの対策を打っておきましょ!っていうのが、このブッログで伝えたいことなんですけどね。
まずは、美容師理容師という職がリスクのある仕事であるということを認識しましょう。
よい面だけでなく、悪い面もしっかり認識する。
・生産性が低い
・歳をとるといろいろ不利
・体が資本
・美容室、美容師が多すぎて、一人あたりの取り分が減少している
・美容業界はデフレ
このようなマイナス面をいかにしてカバーするか?
それでいて、キャリアと資産は確実に積み重ねていく。
早いうちに気付いて行動すれば、歳をとっても楽しく仕事ができるんじゃないかな?とシブ5時をみて思う次第であります。
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